家族や友人が失踪をした時には、警察に捜索を依頼するのが一般的です。
ただ、その時の状況によっては警察が動いてくれないケースもあります。
警察がすぐに捜索してくれない場合には探偵に依頼するという方法も選択できますが、警察と探偵どちらに依頼すべきなのか、両者の捜索方法などについて徹底解説します。
家出人の捜索方法とは?事件性の有無でかわる対応策?
大切な家族や友人が突然失踪してしまったという場合、とにかくあわててしまってどうしたらいいか分からないという人が多いのではないでしょうか。
家族が失踪してしまった場合、事件性があるかどうかによって捜索を依頼すべき専門機関が変わってきます。
あわてて警察に行く前に、まずは正確な状況をつかみましょう。ここでは、事件に巻き込まれた可能性がある場合と自ら失踪した場合を取り上げて、対応の仕方についてご紹介します。
事件に巻き込まれた可能性がある場合
家出人の年齢や状況によっては、事件としか考えられない場合もあるでしょう。
そのような場合には、迷わずすぐに警察に連絡をしましょう。
警察も低年齢である場合や、事件性が高い証拠が残っている場合にはすぐに動いてくれます。
また、失踪する前に交友関係などで何かトラブルを抱えていたことを知っている場合にも、なるべく早く警察に届けるようにしましょう。
自ら失踪した可能性が高い場合
仕事やプライベートの悩みなどが原因となって、本人が自ら姿を消すという人も少なくありません。
何らかの置き手紙が残っていた場合や、家出をした原因が明白な場合は、事件性は少ないと考えられます。
しかし、そのような場合でも警察には早めに届出をしておきましょう。
また、なるべく早く本人を見つけたいと考える場合は、警察に届出を出すと同時に、探偵に依頼するという方法があります。
探偵に依頼すれば警察よりも早く動いてくれますし、早く依頼することで見つかる可能性も高くなります。
捜索願と失踪届の違いとは?まずはどちらを提出する?
ドラマなどを見ていて警察に提出するイメージがあるのは「捜索願」という人も多いのではないでしょうか。
しかし、現在では「捜索願」というものはなくなっていて、行方不明者届という名称に代わっています。
「行方不明者届」を提出するのはどんな時か、また「失踪届」とどのような違いがあるのか確認していきましょう。
行方不明者届(旧捜索願)とは?
「住んでいるところから離れて、その行方が現在明らかでない人」を警察では「行方不明者」として届出を受理しています。
警察署では行方不明者の届出を受理したあと、警察のコンピューターに行方不明者の登録をして、全国の警察に手配を行います。
行方不明者届の提出方法
家出人の行方不明者届は、基本的に保護者や配偶者、その他親族などが出すことになっています。ほかにも、家出人の雇い主や同居人など、親族でなくても提出できる場合もあります。
届出のときには、提出する人の本人確認書類や印鑑などを持参する必要があります。
届出は近くの警察署で受け付けが可能です。
届出を出すときに、家出人の写真の提出とともに一緒に伝える情報は下記のようなものです。
・本籍、住所、職業、氏名、生年月日
・身長、体格、髪型、血液型等、身体の特徴
・服装、所持品など
・行方不明になった日時や場所、原因や動機など
できるだけ早く見つけ出すためにも、家出人のできる限りの情報を伝えておくようにしましょう。
失踪届とは?
行方不明者届と同じような名前のものに「失踪届」というものがあります。
両者は名前が似ていますが、まったく内容が違うものです。
失踪届は、家出人が失踪して生死不明の状態が7年間続いた場合、親族が「失踪届」を提出することで家出人が「死亡したもの」とすることができるものです。
失踪届は市役所に提出して手続きをします。
しかし、失踪届を提出するには、まず家庭裁判所より「失踪宣告」を受けなければなりません。
「失踪宣告」は家庭裁判所に申立てを行うことで受けることができますが、申立てができるのは親族以外にも「利害関係人」が申立てをできるとされています。
利害関係人とされるのは下記のような人です。
・失踪人の配偶者
・相続人にあたる人
・財産管理人
・法律上の利害関係を有する人
失踪人の資産の受取りや離婚手続きなど、失踪人がいないことでできない手続きが失踪届を提出することでできるようになります。
失踪届を提出するまでの手順
失踪届を提出するまでには色々な手続きが必要です。
手続き方法は下記のとおりです。
1.警察に行方不明者届を提出する
2.家庭裁判所に「失踪宣告」の申立てをする
→行方不明者届を提出してから7年以上経過している必要があります。
3.家庭裁判所から「失踪宣告」を受ける
4.市役所「失踪届」を提出する
市役所に失踪届を提出する期限は、失踪宣告の審判確定の日から10日以内です。(10日目が休日の場合は翌開庁日)
また失踪届を提出するときには、失踪届書(市役所のホームページでダウンロード可能)、
届出人の印鑑、家庭裁判所の審判書の謄本および確定証明書が必要です。
期日までに忘れずに市役所に提出しましょう。
捜索願を出すタイミングは?
家出人の捜索は、早ければ早いほど良いと言われています。
しかし、「すぐに帰ってくるのではないか」という状況の場合には、すぐに警察に行くのも気が引けるという人もいるでしょう。
捜索願はどのようなタイミングで出すべきなのか、確認していきましょう。
家出人が見つかる確率はどのぐらい?
行方不明者届を受理してから警察が家出人の所在を確認するまでの期間はどのぐらいなのでしょうか。
警察庁の「2016年中の行方不明者状況」を見てみると、意外にも受理当日に発見されているケースが多く、1週間以内におよそ73.7%が発見されています。
しかしながら、2年以上居所がつかめないといったケースもあり、状況次第では捜索が長期に及ぶこともあります。
できるだけ早く行動すること
家出人を早く見つけるためには、できるだけ行方不明者届を早く出すというのもポイントになります。
届を出すのが遅れれば遅れるほど発見も遅くなってしまいます。
特に重要なのは、失踪してから1週間以内です。
それ以降になると、どんどん発見率が悪くなっていくため、捜索はできるだけ早くすることが大切です。
とにかく早く行動するなら探偵に依頼するという選択肢も
家出人の捜索には初動が大切です。
しかし、警察は事件性がなければなかなか動いてくれません。
そのような時にすぐに捜索活動を開始してくれるのが「探偵」です。
探偵は浮気調査や素行調査などのイメージがありますが、失踪人などの捜索にも長けています。
特に大手の探偵事務所であればノウハウも豊富なため、とにかく早く見つけたいという人は探偵に依頼するという選択肢も考えてみましょう。
捜索願が出されたら警察はどんな捜査を行うの?
警察は行方不明者届(旧・捜索願)が出されたら、どのようなことをしてくれるのでしょうか。
提出されたあとの警察に捜査について、確認していきましょう。
特異家出人と一般家出人によって違う
警察は行方不明者届が提出されたあとにすぐに捜査を行う場合と、すぐに動いてくれない場合があります。
すぐに捜査を開始するのは「特異家出人」の場合です。
特異家出人とは、なんらかの事件に巻き込まれた可能性がある場合や、自殺の可能性、または他人に危害を及ぼす可能性があるなど、緊急性が必要となるケースです。
特に特異家出人が自分から家出をすることが考えられないような子供の場合は、事件性が高いと見て緊急的に捜索を開始します。
逆に、自分から家出をしたことが明白な場合は、すぐにもどってくることが考えられるため、すぐに捜索をしてもらえないことが多いです。
特異家出人の捜索
警察が特異家出人の捜索を行う際には、電話会社や金融機関と協力し、携帯電話の電波状況、車のナンバー照会、キャッシュカードの利用履歴などを手がかりに本人の居場所を特定していきます。
届を受け付けた特異家出人に関しては、情報がデータベースに登録されているため、全国の警察と連携をしながら本人の行動にアプローチを行っていくことが可能です。
状況によっては、鑑識捜査や警察犬を使った大捜索も行われるのが警察の捜査の特徴となっています。
一般家出人の捜索
特異家出人と違って一般家出人は特に緊急性がないと考えられるため、警察が積極的に捜索をすることはほとんどありません。
その中で警察ができることは、職務質問をした場合やなんらかの警察のパトロールで行方不明届が出ている人物と出会った場合、家族が探している、行方不明者届がでているということを本人に伝えます。
成人した人の場合は自分の意志で家出をしているため、そのまま保護ということにはなりません。
ただし、警察が「〇〇付近で発見した」ということを家族などに伝えるため、ある程度の情報は得られるでしょう。
家出人捜索に携帯電話のGPSは使える?
ドラマなので、警察がGPSを頼りに捜索をしている場面をよく見かけますが、実際にもそのようなことは可能なのか気になるのではないでしょうか。
実際に警察は、家出人、特に事件性が高い特異家出人の捜索に、携帯電話のGPSを使うことができます。
捜索対象者の携帯電話の電源が入っている場合に限られますが、携帯の電波を近くの携帯基地局がキャッチし、どの基地局がつかんだかで本人の場所がある程度特定できます。
このような捜索は携帯電話会社との協力が必要なため、この捜索方法ができるのは警察に限られます。
ただし、最近ではスマホにGPS機能がついているものや、子供の携帯にGPS機能が付属しているものが多いため、素人でもある程度の位置がわかる場合も増えてきました。
しかし、自らの意思で家出をしている一般家出人の場合は、GPSでは見つからないことがほとんどなため、別の方法を考える必要があるでしょう。
家出人を捜索する費用は?
家出人を警察は事件性があれば積極的に捜索してくれますが、その場合の費用はどうなっているのでしょうか。
家出人の捜索にかかわるお金の話をしていきましょう。
警察に依頼した場合
警察が行う捜索には、山間の捜索や海辺の捜索など、場所によって色々な捜索を行います。
場所によっては海上自衛隊が出動するようなことやヘリコプターが必要な場合など様々ですが、そのような捜索を警察や自衛隊が行う分にはお金は一切かかりません。
しかし、山や海などの捜索に民間の人の協力を要請した場合、その費用は捜索対象者の家族などが負担しなければなりません。
もし費用がかかる場合には事前に話があるため、どのぐらいの費用が必要になるのか確認しておくことをおすすめします。
探偵に依頼した場合
自らの意思によって失踪した人の場合、警察はなかなか動いてくれません。
そのような場合には「探偵に依頼する」という方法があります。
探偵に依頼する費用は決して安くありません。
特に家出人の捜索ということであれば、最低でも30万円以上かかるケースが多いようです。
家出人に関する情報の多さにもよりますが、調査期間が長くなればなるほど費用はどんどん高くなってしまいます。
探偵に依頼する場合は「いつまで」という期間を区切ることが大切です。
また、探偵に依頼するのはなるべく早めに、できれば失踪してから1週間以内に依頼することで発見率が高くなるでしょう。
家出人を自力で捜索できる?
警察が動いてくれないケースの場合は、とりあえず自力で探してみようと考える人もいるかもしれません。
家出人の捜索を自力でするなら、本当にすぐに行動しなければなりません。
先にも話しているように、家出人は時間が経過すればするほど発見率が下がります。
1カ月も経過するとかなり見つかる可能性が低くなるため、家出が分かったらすぐに行動をおこすことをおすすめします。
自力で家出人を捜索する方法をいくつか紹介していきましょう。
家出人の私物を調べる
家出人が同居していた場合や、借りていた部屋を確認できる場合は、残っている私物から何か行先に関するものが残っていないか調べてみましょう。
特にパソコンが残っている場合には重要な証拠が隠されている可能性が高いです。
ネットの閲覧履歴やゴミ箱まで、色々と調べると行先に関するヒントが隠されているかもしれません。
SNSを調べる
家出人がSNSをよく利用していたなら、SNSに何かの情報を投稿している可能性があります。
TwitterやInstagramなど、アカウントが分かるようなら最近の投稿を確認してみましょう。
とにかく電話をかける
携帯電話を置いて行っている人は少ないと思うので、とにかく家出人に電話をかけ続けましょう。
最初は出ないかもしれませんが、日にちが経過すると心境が変わって電話に出てくれるかもしれません。
あきらめずに定期的に電話をかけることを続けてみましょう。
自力での捜索には限界がある
自力で家出人を捜索しようにも、自力ではやはり限界があります。
働いていれば探す時間も少なく、探すための知識も少ない上に要領も効率も悪いため、自力ではとても分からないといえ場合には早めに探偵などの専門家に相談してみましょう。
家出人捜索に探偵を依頼するメリットについては、次の記事で紹介していきます。
探偵は家出人を早く捜索できる!
警察はとにかく事件性がない家出人の捜索を積極的に行いません。
しかし、そのまま放置していても見つからない可能性の方が高いでしょう。
そのような場合には探偵事務所を利用することをおすすめします。
探偵事務所の場合はとにかくすぐに捜索をスタートしてくれます。そのため、警察が動いてくれない場合には探偵に依頼することで早く問題が解決する可能性があります。
探偵の捜査方法
探偵事務所が家出人の捜索に当たる時には、あらゆる情報がてがかりとなります。
本人の部屋に残されている私物やパソコンなどから手がかりを得たり、友人や知人への徹底した聞き込みなどを行います。
本人が足を向けそうな場所を残された情報からピックアップし、ショップや宿泊施設などを調べていくのが一般的な探偵の捜査方法です。
依頼した場合の料金のめやす
探偵事務所に家出人の捜索を依頼した場合の料金は、その事務所の料金システムによって大きく変わります。
大手探偵事務所の原一探偵事務所では、基本料金4万円に調査料金が1日8万円からと設定されています。調査日数によって料金が変わるため、どのぐらいの期間調査を継続してもらうかをよく相談する必要があります。
できるだけ早く発見してもらうためにも、本人の写真やパスポート、免許証などの所持品、車の車種やナンバー、交友関係、恋人とのトラブルがなかったかどうか、どんな趣味があるのかなど、分かる範囲の全ての情報を探偵事務所に知らせておきましょう。
探偵に依頼する際の注意点
家出人の捜索を探偵に依頼する時には、携帯電話番号しか分からない探偵や、事務所がない探偵事務所には相談しないようにしましょう。
事務所がない、電話番号が携帯のみという探偵は、いつでも逃げられるようにしている可能性があり、そのことからも悪徳探偵社の可能性が高いです。
そのため、探偵に依頼するなら有名な大手探偵事務所に依頼することをおすすめします。
大手探偵事務所の原一探偵事務所は業界でもトップクラスの調査実績を誇ります。
家出人捜索の分野では、テレビの人探し番組に協力した実績もあり、人探しのノウハウに長けています。
家出人の捜索には早めの行動が重要なため、できるだけ早めにこのような大手探偵事務所に相談してみることをおすすめします。
まとめ
家族が突然失踪した、行方不明になったという場合は、まずは警察に届出を出しましょう。
特に事件性が高いと判断されれば、警察は緊急的に捜索を開始してくれます。
ただし、自ら失踪した可能性が高い場合は警察がすぐに動いてくれない場合も多いです。
警察が動いてくれないケースでは、探偵事務所に捜索の依頼をしましょう。
探偵の料金は事前に見積もりを取って、どのぐらいの期間調査してもらうのかよく相談の上、依頼することをおすすめします。